国際協力



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国際協力

(A)Association for Medical Education in the Western Pacific Region (AMEWPR) Advisory Board Meeting 2010

  • (西太平洋地区医学教育連盟2010年代表者会議)
  • (会長:吉岡俊正 東京女子医科大学副理事長、同 医学部医学教育学 教授)
  • 期 間
    • 2010年(平成22年)8月1日(日)~2日(月)
  • 会 場
    • 東京女子医科大学 〒162-8666 東京都新宿区河田町8-1
    • 東京大学  〒113-0033 東京都文京区本郷7-3-1
  • 主 催
    • 一般社団法人 学会支援機構内 日本医学教育学会、公益財団法人日本心臓血圧研究振興会、世界医学教育連盟 (World Federation of Medical Education, WFME)、学校法人東京女子医科大学、国立大学法人 東京大学、世界保健機構西太平洋地区事務局(World Health Organization, Western Pacific Regional Office, WPRO)
  • 参加者数
    • 25名
  • 1. 事業概要及び事業目的
  • 西太平洋地区医学教育連盟代表者会議への太平洋島嶼国からの参加者招聘に係わる諸業務
  • 2. 当該年度の事業目的
  •  西太平洋地区医学教育連盟は世界医学教育連盟の6つの地区部会で、西太平洋地域で医科大学を持つ14の国が加盟している。本連盟はWHO西太平洋地域事務局と連携し、地域の医学教育政策を審議し、WHO等を通して提言する機能を果たしている。2010年の会議は重要事項の審議があるため、台湾および医科大学を持たない島嶼国であるミクロネシア連邦からのオブザーバー参加があった。
  •  2011年西太平洋地区医学教育連盟代表者会議では世界医学教育連盟が定める医科大学の設置基準(グローバルスタンダード)および医学教育目標(医師の役割国際基準)について、島嶼国を含めた西太平洋地区の基準を検討し決定することが目的であった。さらに西太平洋地区医学教育連盟の次期運営組織を決定することも目的であった。
  •  本会議開催にあって、太平洋島嶼国(オーストラリア、フィジー、パプアニューギニア)の医学教育・保健医療代表者が会議に参加するための渡航手続および国際移動に係わる手配、会議後に国際協力を促進するためのレセプション開催に伴う業務を本事業では行った。
  • 3. 活動結果
  • 3-1.会議の成果
  •  平成22年8月1~2日に渡り開催された2010年西太平洋地区医学教育連盟代表者会議は会議の3つの目的を達成した。すなわち、世界医学教育連盟が2003年に提示した「医学教育グローバルスタンダード」に、加筆を加え「医学教育グローバルスタンダード-西太平洋地区追記版―」を採択した。これにより地域の医科大学の機関認証評価・外部評価の国際基準が策定された。「医師の役割国際基準」は世界医学教育連盟が2013年に策定を目指す個々の医師の医療実践能力国際基準で、医学教育の目標となる基準である。地域の特性として、医師とコメディカルの役割が地域では一定でないこと、研究者としての役割は多くの先進国では一般的であるが、途上国では非現実的であり、これらのことを国際基準では考慮することが必要と結論され、今後世界医学教育連盟での策定作業に反映する事が決定された。会則により会長改選と運営組織の改編が行われ、新会長に韓国のダクサン・アン教授(韓国医科大学)が選ばれた。
  • 3-2. 太平洋島嶼国医学教育・保健医療代表者会議参加の渡航手続および国際移動に係わる手配
  •  航空券手配、渡航許可証(必要により)取得、成田空港での送迎・会議場への移動については経験のある国際学会支援会社に委託した。参加者に確認しながら旅程、渡航手続きが行われ、参加者は全員予定通り成田空港で出迎えをうけ、都内宿泊施設に支障なく移動が行われた。会議中も担当者が同席し、会議運営(会議室設定、参加者の食制限に即した昼食手配・飲み物手配)、参加者個別の要望(パソコン・カメラ消耗品購入、帰国時の送迎手配)、会計(宿泊費・交通費精算)を行った。参加者からは会議内容だけでなく、運営の精緻さについて讃辞と謝辞があり日本の優れた管理運営能力を示した。
  • 3-3. 国際協力を促進するためのレセプション開催
  •  レセプションは、今後の国際間協調を密にするために行われた。参加者の食風習に合わせた和食を準備し、日本的家屋で、参加者の年齢・習慣を考慮し椅子席の会席で行われた。
  •  各国代表者がスピーチを行い、今後の医学教育分野での国際協力を確認した。さらにこの席上で今後の日韓、日豪、日中韓、日老の国際協力について検討することが決定され、さらに笹川平和財団の支援によるミクロネシア連邦医学教育支援について、同国保健大臣と本年度の支援として現地の医学教育ニーズ調査を行う事の具体的手順と東京女子医科大学医学部、三重大学医学部が協力する事が確認された。
  • 4.収支報告書の内容に関する説明
  •  2011年西太平洋地区医学教育連盟代表者会議は、各国代表がそれぞれの国の状況を解説し、地域全体としての共通点を明らかにするシンポジウム形式で行った。今回加盟全国(但しニュージーランドはオーストラリアに委任)および現在国家代表権を持たない台湾、および医科大学がないミクロネシア連邦からもオブザーバー参加があり、会議の内容が西太平洋地区全般、途上国、先進国を含めた検討が行われたことが成果につながった。本事業で支援したオーストラリアは、新副議長国に選出された。フィジーおよびパプアニューギニアは太平洋島嶼国における医学教育の現状、医師の国外流失などの問題提起があり、会議に貢献した。レセプションでは14カ国の代表者がそれぞれの国家・医学教育の現状の情報交換が行われ、医学教育国際協力の基盤ができた。そのなかで、日本の文化・技術・管理運営能力を各国に印象づける機会となった。
  •  事業管理費としては、2日間の会議で事務的支援を行ったアルバイト謝金、世界医学教育連盟で行われた医師の役割国際基準検討会議の報告をし今後の地域での検討事項について示唆をもらった講師への謝金、ならびに参加者の移動のコーディネーター謝金が含まれる。
  • 5.当該年度の成果及び成果物
  • 本事業の成果として、「医学教育グローバルスタンダード-西太平洋地区追記版―」が西太平洋地区医学教育連盟で採択され、今後WPRO(WHO地域事務局)を含め、地域に公開される。「医学教育グローバルスタンダード-西太平洋地区追記版―」は今後会議ウェッブサイトで公開され、誰でも閲覧出来るようになる。
  • 会議の新運営体制が整い、今後継続してグローバルスタンダードおよび医師の役割国際基準の策定、改良、地域の医科大学外部評価等を行う国際協調体制が確立した。本会議の議事録は今後連盟のホームページで公開される。
  • 6.所感/今後の見通し
  •  メディカルツーリズム、医師の国際間移動が盛んになり、医療の質保証、医師の能力の国際水準が大きな問題となっている。本会議は、その国際基準を設ける重要な意義がある。国際基準はグローバルな基準として世界医学教育連盟がWHOと協働で策定してきているが、WHOが地域に分かれているように地域の特性も考慮しなくてはならない。西太平洋地区医学教育連盟は、世界医学教育連盟の地域部会として、日本を含む西太平洋地域の医学教育政策を論じる唯一の組織である。過去4年間日本が議長国を努め、今回が最後の代表者会議開催であった。活動結果に述べたように会議では国際的に重要な決定が行われた。
  • このように西太平洋地区医学教育連盟は地域と世界の医学教育に重要な役割を果たしているが、過去その運営は議長国、会長にゆだねられており、財務基盤がないことが組織としての欠点である。このため、会長が会議運営の財務を行わなくてはならない。さらに途上国からの参加は、参加支援がない限り難しい場合が多い。今回の開催では、笹川平和財団から多大な支援をいただき開催することができたことに深く感謝したい。本会議は、日本医学教育学会、東京女子医科大学、東京大学医学部、日本学術振興会からの支援も得て開催した。日本医学教育学会の支援は、今後医学教育の国際化に日本医学教育学会が積極的に関わっていくことの意思表示であり、本会議には学会会長もオブザーバーとして参加した。
  • 日本の医学教育は、世界が認める長寿社会の医療・健康を支える医師を教育しているという、国際水準でも高い教育を行っている。しかし、グローバリゼーションの中で日本の医学教育が実際に国際水準にあることを示す事も重要であると考えられた。途上国では医学教育の発展が医療水準向上に直結することから、国際水準にある教育を行っている事が示されている国に協力の依頼が集中すると思われる。今回の会議では、オーストラリア、韓国、中国などは医学教育輸出に強い関心を示していることが明らかであり、日本の医学教育の国際化が今後の課題と考えられた。
  •  今回地域の医科大学基準が採択されたこと、今後医学教育の指針(医師の役割国際基準)が策定されることから、医科大学外部評価、医学教育質保証の国際化が促進すると考える。日本は先進国の中で唯一領域別機関認証評価が行われてない。医学教育質保証について国際的視野で考えなくてはならない。