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榊原記念病院
(東京都府中市朝日町3丁目16番, 京王線飛田給駅北口より徒歩15分)当財団発足以来、当会研究施設で行われた公募研究等基礎的研究を、実際の臨床に応用する開発研究や救急医療ネットワーク(心電図電話伝送) で広範囲に行ってきた研究を更に具体化し、急性心筋梗塞、心筋炎、大動脈解離等の急性疾患、特発性心筋症、川崎病等難治の疾患に関する調査研究を行うために、循環器の患者を診療する研究施設が必要であり、臨床医学の進歩に寄与する目的で一般社会に開かれた臨床研究施設として昭和52年11月4日に開設されました。
職員は、院長村上保夫(専務理事)、副院長住吉徹哉 (常務理事) 、副院長橋幸宏(理事)、副院長吉富正孝(理事・監理部長)、最高顧問細田瑳ー(理事長)、名誉院長小船井良夫ほか常勤循環器専門医81名(そのうち小児科医12名、外科医小児班8名)、看護職員279名、技術職員81名、事務職員102名、合計543名にて稼働いたしました(平成20年4月1日時点)。
当院は、平成15年12月に開設地の渋谷区から府中市に、病床数は320床(旧病院は152床)、うち集中治療室72床(CCU12床、POST CCU18床、手術後のICU20床、新生児重症用NICU22床)、成人病床186床、小児病床32床、総合救急用病床30床として移転新築開院しておりますが、平成17年4月以降、使用許可病床290床で運営をいたしました。
平成19年(平成19年1月〜12月)の臨床実績では、外来総受療者数 57,165名、CCUに収容された患者総数1,107名、成人心臓カテーテル総検査数3,751件(そのうち不整脈に対するカテーテル総検査数471件)、小児心臓カテーテル総検査数601件(そのうち診断カテーテル総検査数 541件)、エコー総検査数(小児科、腹部、末梢血管除)13,444件、核医学総検査数2,673件、CT総検査数5,090件、MRI総検査数2,997件、成人班の心臓大血管手術総数722件、小児における心臓大血管手術総数527件等であった(詳細は、後述の臨床研究報告参照)。入院を必要とする救急患者は年間通じて(24時間365日)常時受入れ、1日に40名を越える心臓病患者の入院に適切な医療行為の対応をしており、医療情報の共有と共に放射線診断などを含め画像解析は、専門医により高精度に読影・判定・記録され、同時に個人情報保護法に適合する開示を実践いたしました。
当院職員の平成19年における学会発表や参加は、日本循環器学会、日本循環器看護学会、日本胸部外科学会、心臓血管外科学会、日本心臓リハビリテーション学会、日本心臓病学会、日本心エコー学会、日本心臓リハビリテーション学会、日本老年医学会、日本理学療法学術学会、日本病院会、日本病院管理学会、日本診療録管理学会、World Congress on Cardiac Pacing、Update in Cardiovascular Medicine、First Global Summit On Valvulardis等、延192学会・研究会に延593名が参加いたしました。さらに熊本大学、東京大学、東京女子医科大学、島根大学、日本医科大学、大阪市立大学、聖マリアンナ医科大学、消防学校、日本看護協会、茨城県看護協会、上福岡高等看護学院、東京都立板橋看護専門学校、神奈川県厚木看護専門学校に講師派遣をいたしました。
院内見学の受入れでは、関西電力病院、小倉記念病院、東京慈恵会医科大学病院、千葉西総合病院、藤田保健衛生大学病院、NTT東日本関東病院、千葉大学医学部附属病院、国立循環病センター、聖路加国際病院等から延227名に対応いたしました。
さらに循環器の研修を希望する医師や看護師を受入れ、専修医として17名、看護師研修では牧港中央病院、長野市民病院、相澤病院、三重ハートセンターより9名を採用し、研修修了者に修了証を授与しました。また院内での職員の研究育成に関連して、第15回臨床研究施設職員研究助成46題の発表会を平成19年12月1日に開催いたしました(表1 第15回臨床研究施設研究助成発表会プログラム参照)。平成19年度臨床研究施設研究助成は63件が進行中です。
近年、急性心筋梗塞、急性冠症候群、重症不整脈に対するカテーテル治療、大動脈解離に対する手術およびステント療法や低侵襲の心臓外科手術の普及により、我が国においても入院期間の短縮や効率化が急速に進んでいます。一方、患者さんにとっては、退院した後の社会復帰のための具体的な方法や病気の再発を予防するための知識を身につけることが必要とされています。当院では創設者である榊原先生の先進的なコンセプトに基づき、開院直後から国内でもいち早く心臓リハビリテーションを実践し、特に退院後の患者さんが参加する「通院による監視型運動療法」を中心とした包括的心臓リハビリテーションは昭和57年12月から始まり、既に25年以上の歴史があります。当院では心臓リハビリテーション用トレーニング室約200uと、これに隣接して健康増進室約160uを開設しました。また戸外にはリハビリ庭園を造り、見た目にも心を和ますものとなっています。ここでは毎日救急疾患回復期や手術直後の入院患者さんと沢山の退院後の患者さんが、生き生きと且つ安全に監視型心臓リハビリテーションに取り組まれています。心臓リハビリテーションプログラムは、一人一人の患者さんの病態を評価し、一人一人のレベルに応じた運動メニューを設定して行っています。スタッフには専門の医師、看護師をはじめ、管理栄養士や理学療法士、運動療法指導者、臨床心理士、行動科学の専門家など多業種のチームによる医療と指導を提供しており、運動ばかりではなく、カウンセリングや教材を用いた講義による社会復帰教育プログラムも充実しております。平成17年度より、念願であった常勤理学療法士が4名となり、術後早期からのリハビリテーションの充実や高齢者の寝たきり予防プログラムの作成に取り組んでいます。また、平成18年からは、重症心不全に対する新たな取組みとして、積極的な理学療法介入と自律訓練教育を始めました。平成18年度の診療報酬改定により、心疾患リハビリテーション料が心大血管疾患リハビリテーション料と変更され、慢性心不全や大血管疾患、下肢閉塞性動脈硬化症が新たに適応疾患として認められるなど、心臓リハビリテーションのニーズが拡大されました。医療連携室では、当院周辺医療機関と連携を積極的に行いました。平成18年に東京都知事より当院が広域の地域医療支援型の専門病院として承認をいただいて以降、府中市医師会および周辺医師会との「榊原記念病院定例講演会」や府中市との共催による講演会、東京大学、日本医科大学、東京女子医科大学、昭和大学、慶応義塾大学、杏林大学などとの連携による研修会等を続けており、平成19年においては27回開催いたしました。臨床実績としては紹介率71.2%、逆紹介率 87.6%でした(詳細は、後述の臨床研究報告参照)。
医療安全につきましては、良質な医療の確保と安全な医療提供の更なる向上を図るため、平成17年4月従来からの医療安全担当者やリスクマネジャーを中心に「医療安全管理室」を設立し、外部の精神対話士の援助も得て、患者さん・ご家族との円滑なコミュニケーションを図り、一体となって医療を推進すると同時に今後の病院で求められている保安の問題にも対応するため、セ一フティーマネジャーが活動を続けています。
セーフティーマネジャーの活動の主眼は、不審な外来者を検索し、入院患者さんと個別に面談し、ご意見・ご要望、ご相談にすばやく対応し、安全で快適な病院生活を送って頂くことです。外来患者さんや職員の意見・要望等も取り上げて改善を図り、保安危機対策にもビル管理・守衛担当者とも協力して真摯に取り組んでいます。医療安全面の実施については、職員に対する医療安全に関する研修の実施2回、インシデントレポート1,638件、患者・家族相談窓口件数473件、院内感染防止委員会の開催数12回となりました。
当院は、患者さんやご家族に対し、より安全で納得の得られる医療を提供できるようにと常に心がけています。そのため、患者さんが御自分に関する医療チームの中心となり、ご家族にも入っていただき、要望や納得がいくまで情報を共有して患者さんの要望に合致した医療を実践し、その計画を詳しく説明しております。さらに個人の問題に関しては患者さんやご家族に医療チームに入っていただくことにより、診療計画の予定開示を職員全員で心がけ、予定の周知不足、業務の遅延、誤解、失念などの指摘もいただくことができ、患者さんやご家族とともに医療安全の向上を目指しています。平成18年度においては、国立保健医療科学院による外部顧客満足度調査(病院患者満足度調査)において、急性期型500床未満の施設で入院患者・外来患者ともに、この評価を維持し向上することを目標に職員一人一人が努力し、満足度第一位と評価されました。
病棟設備面では、医師や看護師等各医療職が患者のベッドサイドに出来る限り付き添える状況で医療を行えるように1フロアに4看護単位を配置し、フロア中心に中央ステーシヨン、各看護単位中心にサービスステーション、各病室前にスタッフカウンターを設置しております。情報システムに関しても、プラスチック光ファイバーのネットワークをスター配線で各室各机に配線し、多くのサーバーを設定してこれを利用した新しい院内情報システムの開発更新を続けており、当初計画通り、心エコー図などの三次元画像配信や薬剤発注システム等を構築し、電子カルテへの全面移行に向けてシステム改良を続けております。院内情報システムは榊原記念病院と榊原記念クリニック間で共同利用し、双方間で患者さんの救急対応や通院の際にも効率的に活用されております。この情報システムは平成17年4月に施行された個人情報保護法及び米国のHIPAA法にも対応できる内容になっており、個人情報と一般情報とを切り分け、個人情報は個人リストとして別に保管し、個人情報の開示は原則として担当職員と患者本人のみにし、リストとして通覧出来ない形にしてプライバシーを保護する仕組みになっております。入院患者本人に予定を開示する目的で、ベッドサイドにPC端末を設置し、診察券により常時診療情報が確認できるようになっております。特に患者さんを特定する方法として、診察券(ICカード) に顔写真を記録し、ディスプレイ上で確認が可能 (顔認証)となっています。このような建物設備やブロードバンド情報システムに慣れ、ようやく職員が患者さんの傍に常にいられる状況となり、患者さん中心の安全で納得の得られる医療を常に提供できるよう工夫が生かされるようになっています。
平成18年からは榊原記念病院に来院された全ての患者さんの誕生月に実施する予後調査によって榊原コホート調査の試行を始めています。このすべての情報は匿名化されており、また一般情報として国や自治体の調査には常に応じられるよう準備しており、同時に患者さん全員から情報提供に関する同意を書面で頂いております。榊原コホートとして収集できた情報をもとに当院のデータベースを構築し、今後も一層の診療・治療向上に努め、また榊原記念病院を信頼して頂いた患者さんの予後改善に寄与する目的で、地域連携パスとともに榊原コホートの試行を始め、国内屈指の循環器病専門研究施設として循環器医療の改善に貢献いたしております。
病院の情報公開に関連し、病院のホームページ (http://www.shi-heart.org) では、毎月更新して、公開講座、診療実績、職員募集など多くの一般向けの情報を公開いたしました。振興会本部のホームページ (http://www.sakakibara-heart.com)では、事業報告・業績実績および臨床研究施設(3施設) の情報を開示いたしました(個人情報データベース及びHISは、インターネットとは分離されており、院内の個人情報が漏れることはありません)。
治験事務局では本年、新規に治験2件の実施依頼があり、前年から引続き実施中のものも含め、治験5件、製造販売後調査16件、大規模多施設共同研究2件の計23件と件数は増加し、患者治験817例を実施いたしました。継続実施してきた「医師主導の治験」については、円滑に治験が終了でき、実施可能な環境と規定を整備いたしました。平成19年12月末に通知のあった、治験の効率化を推進するために、厚生労働省が作成した統一書式を当院でも取り入れるべく、様式・手順書の見直しを図ってまいります。また、当臨床研究施設は、開院以来、先天性心疾患を中心に、乳児・小児の患者が多く、術後患者も長く通院しているので小児に対する薬剤、特に新薬の使用や医療機器の使用に関する医師主導治験を国立成育医療センターとも協力して活発に企画する予定をしております。
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